複利の効果[超重要知識]-利益が利益を生む複利の効果-

投資の基本

前回の記事でS&P500の話をしました。

S&P500は過去20年間で年率で平均8.0%のリターンとなっています。
つまり、1年間で100万円が108万円になるということです。

ここで、ひとによっては「え、たったの8万円にしかならないの?」と思った人もいるでしょう。

投資で知っておかなければならないのは複利の効果です。
複利とは、翌年には増えた8万円にも利子がつくことです。

投資では金利のつき方には2つの種類があります。
それは、単利式と複利式です。

単利式とは投資元本に対して、定期で利子が付くものです。1万円を投資して、毎回5%で500円をもらえるイメージです。
複利はとは投資元本に付いた利子にも利益が付くものです。1万円を投資して、初回5%で500円をもらったならば、次回には1万500円に利子が付いていきます。

引用:トウシル「複利と単利って?カンタンな計算式で金利と投資に強くなる

単利式でも複利式でも単年だと「たった500円?」となりますが、
複利式が本領を発揮するのは年数を重ねた場合です。
年数を重ねるごとにその利益は雪だるま式に増えていきます。

その複利の力を表すエピソードとして、面白ものを紹介したいと思います。

アメリカでは有名な著書だそうですが、
「家庭の金銭額」という著書にこんなエピソードがあります。

~ジャックとジルの小話~

ジャック(弟)とジル(姉)の姉弟がいました。
子供の頃、遊んでいるとき弟のジャックは頭にケガをしてしまいます。
姉のジルが誤ってケガをさせてしまったのです。

それによってジャックは進学をあきらめ。18歳から働き始めました。
弟のジャックは18歳から8年間、50万円ずつ投資をしました。
ジャックの投資の総額は8年間×50万円で400万円です。
そのあとは追加で投資はせず、ひたすら株式を持ち続けます。

一方、姉のジルは弟にケガをさせてしまった罪悪感から医者になることを決意し、
大学に進学し医者として働き始めました。
ジルも投資を始め、26歳から40年間、50万円ずつ投資しました。
ジルの投資の総額は40年間×50万円で2,000万円です。

投資対象はどちらも同じS&P500連動銘柄で、年平均リターンを10%として運用したとき、65歳時点での総資産はどうなっているでしょうか。

弟400万円、姉2000万円ということから姉の方が資産額が多いように思えますが結果は、

・ジャック(弟)の資産は2億5878万
・ジル(姉)の資産は2億2129万

結果は弟のジャックの方が、3,749万円多いという結果になりました。
ジャックは姉の1/5の元本で、姉を上回る投資結果を残しました。

これが複利の効果です。
時間を味方につけ、長い期間運用することで利益が利益を生み、後追いでは埋めがたい差を生み出します。
65歳以降もジャックとジルの差はどんどん広がり、ジャックに資産が追いつくことは永久にありません。
たった8年早く始めたことで大きな差となりました。
投資では、この複利を上手に生かしていくことが最大のポイントとなります。

アインシュタインは複利について、

「複利は人類最大の発明。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。(Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.)」アルバート・アインシュタイン

と称しています。


複利の効果について理解していただけたかと思います。

投資でもっとも重要なことは、複利効果を最大化するため、いかに長い期間投資し続けるかということです。
時間を味方につけて上手に資産形成をしていきましょう。

参考:S&P500の平均リターン
直近10年間:14.7%  直近20年間:8.0%  直近30年間:9.8%

コメント